『通風になったらどうしよう・・・。』と心配ではありませんか?
ビールやお酒が好きでよく飲む方であれば、結構気になるところだと思います。
『気になっているからこそ、僕はプリン体オフのビールを選んで・・・。』
ちょっと待ってください!
通風予防にプリン体オフのビールを飲んでいれば大丈夫ということはありません。また、少し贅沢な食べ物の取り過ぎも通風の原因になるとはよくいわれますが、必ずしもこれらの食べ物や飲み物が通風の原因の全てということではなく、その他の原因も併せてきちんと知っておくことが正しい予防につながります。
というわけで今回は通風が起こる原因と、その通風に深く関わるプリン体や尿酸という物質について書いていますので一緒に見て行きましょう!
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通風の原因は尿酸
通風は風が吹くだけでも痛むというほど、主に足の親指や足首などの関節部分に激痛が起こること(痛風発作)で知られていますが、これには尿酸という物質が深く関係しています。
尿酸は人の体内にも常に存在している物質で、プリン体という遺伝子細胞を代謝した際に出る老廃物です。(ここ何とも難解ですが重要なので順番に書いていきますね。)
尿酸は血液などに溶け体内を循環し、通常であれば毎日体内で作られる量とほぼ同じ量が尿などによって排出されることで、血液中の尿酸濃度(尿酸値)は一定に保たれています。
しかしこの尿酸値が暴飲暴食など何らかの要因で高い状態が続くと、尿酸が血液中に溶けきらなくなってきます。溶けきらない尿酸はやがて結晶化して特に足の関節の内面に沈着していきます。
この時点ではまだ自覚症状はありませんが、この尿酸の結晶がある日突然剥がれ落ちると、これを異物と認識した体の防衛機能である白血球が排除しようと攻撃を始めます。
このときに患部では激しい炎症を起こし、腫れや激痛といった痛風発作の症状として現れます。
順番にまとめますね!!
②プリン体が使われると尿酸(廃棄物)ができる。
③尿酸が増えすぎると捨てきれなくなってくる。
④捨てきれない尿酸は結晶化して関節に居座る。
⑤尿酸に強制退去を求めて白血球部隊が出動。
⑥現場は大混戦の模様。(これが痛風発作)
・・・きちんとお伝えできているでしょうか・・・。
それでは次はここで出てきたプリン体と尿酸値について詳しく見ていきましょう!
プリン体と尿酸値について
食べ物やアルコールなどに入っているプリン体を気にしている人は多いと思います。また、すでに尿酸値を気にしている方もいるかもしれませんね。ここでは通風と深く関係するプリン体と尿酸値について書いています。
プリン体って一体なんなの?
プリン体は一言でいうと細胞の中にある、細胞を構成する成分の一部です。遺伝子の本体である核酸(DNA/RNA)に含まれています。細胞の核の部分です。ものすごく分かりにくいですね。
つまり、まあ、細胞ですよね。
人をはじめ、動物、魚、植物、野菜、あらゆる生き物は細胞のかたまりでできていますので、いたるところにプリン体は存在しているわけですが、食品の中ではプリン体は旨み成分でもあります。そして、レバーやカニ味噌、魚卵など多くの細胞の集まった食品はプリン体含有量も多くなりがち。
やっと繋がってきましたね。おいしい食べ物にプリン体が多い理由も・・・。
ちなみにビールや発泡酒には麦芽のプリン体が入っているわけですね。そしてウイスキーや焼酎などの蒸留酒よりも、ビールや日本酒のような醸造酒の方が一般的に多く含まれています。
そして重要なのが、このプリン体は食事によって取り込まれたり、体内で細胞が生まれ変わる過程(新陳代謝)で、分解されて尿酸という老廃物を作るということです。
しかし意外にも食品に含まれるプリン体によって作られる尿酸は全体の約20%程度で、大半は体内での新陳代謝やエネルギーの消費時に作られていると言うことです。
尿酸値の上昇を抑えるためには、食事以外にも生活習慣に注意する必要があります。
尿酸値とは?
尿酸値とは血液中の尿酸の濃度のことです。基準となるのは血液1dl中に7.0mg/1dl以上になると高尿酸血症と診断されます。この状態が長く続けば、いつ通風発作が出てもおかしくない状態になります。
ちなみに尿酸値の正常値は、成人男性で4.0mg~6.5mg/1dl、成人女性で3.0mg~5.0mg/1dlです。
通風は90%以上が男性の患者と言われていますが、男性はもともと尿酸値の標準値が高いことや、女性はエストロゲンなどの女性ホルモンが尿酸の蓄積を抑える働きをしているため、ということなどが理由とされています。
人の体内には通常約1200mgの尿酸があります。新陳代謝や食事によって、1日に約700mgの尿酸が作られ、ほぼ同じ量が尿や便、汗などによって排出されています。
何らかの要因でこの尿酸のバランスが崩れ、上手く尿酸が排出されなくなってくると尿酸の結晶ができやすくなり通風の危険が高まります。
その何らかの要因とは・・・・?
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尿酸値を上げる要因は食べ物以外にも?
プリン体から尿酸が作られ、血液中の尿酸の量が増えすぎることで通風の危険が高まります。
プリン体を多く含む食べ物や飲み物の摂取を控えることは、尿酸値を上昇させないためにとても大切なことですが、その他に生活習慣の中にも尿酸値を上げる要因があります。
暴飲暴食や肥満に注意
尿酸値が高い人の多くに肥満が共通していることが分かっています。
プリン体の多い食べ物に気を付けるとともに、食べる量や早食いに注意して、偏った食事や不規則な時間に食べる事はできるだけ避け、肥満を防ぐ食生活をしましょう。
ストレスや疲労に注意
ストレスは万病のもとといわれるように、体調に様々な影響をもたらします。
自律神経やホルモンバランスが崩れることで、尿酸が排出されにくくなり尿酸値の上昇に繋がるといわれます。また、ストレスによる暴飲暴食にも注意が必要です。
激しい運動に注意
激しいスポーツや無酸素運動は体内の尿酸値を上昇させる要因になります。
運動時は水分補給などの対策をしっかりして、尿酸の排出を促しましょう。
ただし、適度な運動やウォーキングなどの有酸素運動は効果的です。肥満防止やストレス解消のためにも積極的に取り入れましょう。
アルコールの摂取に注意
プリン体オフのビールなどを飲んでいれば大丈夫ということはありません。
アルコールを体内で分解する際には尿酸が生成されます。また、アルコールには尿酸の排出を低下させる効果もあるため、尿酸値の上昇に繋がりやすくなります。
飲むお酒の種類に関わらず、毎晩お酒を飲む習慣がある人は特に注意しましょう。
おわりに
今回は通風の原因と深く関係する尿酸やプリン体について書いてきましたが、CMなどの影響もありとにかく食品に含まれるプリン体の量だけを気にしている人も多いようです。
通風は遺伝や体質などの要素もありますし、お酒を飲まない人でも発症する可能性は十分にあります。
しかし、一度発症してしまうと長い付き合いになってしまうということが多いものですので、通風の原因についての知識を持ち、普段から生活習慣には十分注意しておくことが大切ですね。
通風の症状にプリン体の多い食品ついてはこちらの記事で詳しく書いていますので参考にしてください。
通風の症状!?足の親指にある日突然耐えられない程の激痛が!!
それでは今回はこの辺りで。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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