ダニといえば家の中のふとんやベッドにいる、顕微鏡じゃないと見えないような小さな虫。
アレルギーや喘息、皮膚炎など人に多くの健康被害をもたらすなんとも厄介な虫・・・というイメージがありますが、もっと恐ろしいのが、山野に生息するマダニ類です。
何が恐ろしいのかと言いますと、人へ寄生して吸血することなんですが、マダニが様々なウイルスや病原菌を保有していることがあり、多くの重い感染症を引き起こす可能性があるためです。
アウトドアやバーベキューで自然を満喫した際、『知らずに刺されていた』、『マダニと気付かず対応が遅れた』、『マダニ対策していなかった』などということが無いように、マダニに対しての知識を深めておきたいものです。
というわけで今回は、マダニとは?マダニの怖い感染症とは?どんな症状が出る?などマダニについて書いていきたいと思います。
それでは行ってみましょう!
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マダニに刺されるとは?
マダニに刺された(咬まれた)というより咬みつかれて吸血されるわけですが、吸血時間はとても長く1週間程度にも及びます。1週間もの長い間、体のどこかに食いついていて離れないわけです。しかし吸血されていてもあまり痛みや痒みといった症状は無く、まったく気付かないことさえあります。
マダニは春から秋にかけて活発に活動するため、山歩きや登山などのレジャーや草むらでの作業時には注意が必要です。
刺されやすい箇所としては、頭部や首、腕や足の露出部分です。しかし服のそでやズボンの裾から侵入して、体を刺すこともあります。
怖いのは感染症
マダニに刺されたからといって必ず感染症になるというわけではなく、そのマダニがウイルスや病原菌を保有した個体であった場合に感染症になるリスクが高まります。
世界中で多くのマダニによる感染症が報告されていますが、日本でのマダニによる主な感染症は以下の通りです。
日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)
1984年に初めて特定された『リケッチア』という微生物による感染症で、刺されてから2日~8日後に日本紅斑熱という病気を発症します。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
2011年に初めて特定された『SFTSウイルス』による感染症で、刺されてから6日~2週間後に以下の症状が出ます。現在のところワクチンや有効な治療法は無く対症療法が行われます。
発症した場合の致死率は高く約12%以上(約8人に1人以上)が亡くなっています。
ライム病
『細菌性・スピロヘータ』による感染症で、刺されてから10日~14日後に刺された箇所に赤い斑点や丘疹ができ次第に拡大していきます。
放置すると、慢性萎縮性肢端皮膚炎、慢性髄膜炎、慢性関節炎、顔面神経麻痺などの恐れがあります。
ツツガムシ病
その他、有毒ダニの一種であるツツガムシが持つこれも『リケッチア』という微生物による感染症で、刺されてから10日~14日後に高熱を伴い発症し、全身に紅斑ができることがあります。
刺されたことに気が付きにくく、治療が遅れてしまい、脳炎、肺炎、心不全などにより死に至る例があります。
恐ろしい病気ばかりですが、近年特に重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が話題に上がることが多くなっています。
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マダニとは?どこにいるの?
マダニとはマダニ属、キララマダニ属、チマダニ属などのダニの総称で主に山野に生息しています。家の中に住むいわゆる家ダニとは違い、体長が2mm~3mmと目で確認できる大きさで、吸血後は1cm以上にもなる大型のダニです。
※参考画像
本来、森林や草むらに生息して主に野ネズミや野ウサギ、シカなどの動物に寄生して吸血を行いますが、そのマダニの生息域に人が入ることで寄生吸血されてしまうことがあります。その際にウイルスや病原体を保有する個体に吸血されることで様々な感染症を引き起こす危険性があります。
もしもマダニに吸血されたら
吸血されていることに気が付いた場合なんですが、慌てて引き剥がしてしまうと、皮膚の中にマダニの頭部や牙が残ってしまったり、マダニの体液が逆流して感染症のリスクが高まってしまうため、ワセリンやハンドクリームなどを盛り付けマダニを窒息させてから引き離すのが効果的と言われています。
一旦皮膚に食いついたマダニは頭部を皮膚の深くまでしっかり食い込ませているため、ピンセットでも簡単には取れません。無理をせず、そのまま皮膚科を受診して病院で適切に除去してもらった方が無難であると言えます。
引き離したマダニ(慌てて取ってしまった場合も)はできれば確認のため容器に入れて、診察時に医療機関で確認してもらうと良いです。いずれにしても感染症の予防のために早急に病院で診察を受けましょう。
おわりに
今回は恐ろしい感染症を引き起こすマダニについて書いてきましたが、家ダニの数十倍の大きさがあるとはいえ、やはり大自然の中ではごく小さな虫の一種ですからね。どこに潜んでいるのか分かりにくく怖いものです。
草刈りや畑仕事などの最中など、それほど山深くないところで刺される事例が多く、結構身近な所にもいますので要注意です。
重要なので何度も言いますが、吸血されているのを発見してもびっくりして慌てて取ってはいけません。特になかなかとれずにピンセットなどで挟んだ際にマダニを潰す(押す)事で感染症のリスクが高まってしまいますからね。
そんなことにならないように、やはりとにかく刺されないことが重要になってきますよね。
恐ろしいマダニに刺されないための対策や予防法についてはこちらの記事を参考にしてください。マダニ対策は服装から!野山に入る前にチェックしよう!!
それでは今回はこの辺りで。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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