『子供が通う保育園でヘルパンギーナが流行ってる!?』
『手足口病とどこが違うの!?』
保育園や幼稚園に通う子供達の間で、夏に流行する感染症の一つにヘルパンギーナがあります。
ヘルパンギーナは手足口病、プール熱(咽頭結膜熱)と並んで『3大夏風邪』とも呼ばれ、毎年6月~8月の暑い時期に流行しやすい代表的な感染症です。特に手足口病とは原因や症状が似ていることもあり、専門医でも判断が難しい場合があるといいます。
それではヘルパンギーナにかかるとどのような症状がでるのでしょうか。また、手足口病の症状との違いはどのようなところにあるのでしょうか。
今回はヘルパンギーナの症状と手足口病との違いについて書いています。
それでは行ってみましょう!
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ヘルパンギーナとは?どんな病気?
夏季(主に6月~8月)に流行るウイルスによる感染症です。
原因となるのはエンテロウイルスというウイルスで、その中でもコクサッキーA型ウイルスが主な病原ウイルスとなります。
これは手足口病の原因となるウイルス群でもあり、たいてい同時に数種類が流行するため、症状からウイルスを特定することは困難で、その年によって手足口病の症状の方が流行したり、ヘルパンギーナが流行したりといった具合に流行に変化をもたらします。
また、一度かかったウイルスに関しては免疫が作られますが、ヘルパンギーナを起こすウイルスは複数存在するため、別のウイルスに感染することによって何度も発症する可能性があります。
どんな症状が出る?
ヘルパンギーナの症状の特徴は突発的に38℃~39℃を超える高熱が出ることと、口の中や喉の奥の口蓋垂(こうがいすい・のどちんこのこと)に複数の水疱性の発疹(口内炎)ができ痛みがあることです。頭痛があることもあります。
0歳6ヶ月~4歳の乳幼児が発症することが多く、特に1歳児の割合が高くなっています。
発熱とのどの痛みにより飲食することもままならなくなることがあり、子供にとって非常につらい症状といえます。
治療方法は?
手足口病と同様に現在ヘルパンギーナを治す特効薬やワクチンはありません。
熱が高いときや頭痛があるときに解熱鎮痛剤を用いるというような、症状にあわせた治療(対症療法)を行いながら、自然治癒による回復を待つことになります。
気をつけなければいけないのが、のどの痛みのために飲食ができず脱水症状を起こしてしまうことです。柑橘系のジュースや固形物はのどが痛くて取りにくくなりますので、そうめんやゼリーのような簡単に飲み込めるものを用意してあげましょう。
脱水症状が酷い場合は病院で点滴治療などが行われます。
また、急な発熱により熱性痙攣(ねっせいけいれん)を起こす場合があります。すぐに治まればそれほど心配はありませんが、発熱は2~3日続くことが多く、状況に応じて解熱剤を使用してよく見守ってあげることが大切です。
通常ですと症状は一週間程度で落ち着いていきますが、稀に髄膜炎などの合併症を起こす危険性があります。高熱が続く、頭痛や嘔吐が酷く衰弱しているなどの症状があればすぐに医療機関を受診しましょう。
感染経路は?
感染経路は手足口病とほぼ同じで、飛沫感染(患者の咳やくしゃみなど)、接触感染(ウイルスの付着)、糞口感染(オムツ替えの際などに感染する)があります。
やはり手足口病と同じく保育園や幼稚園での集団生活の中で感染することは多く、ウイルスに感染するとおよそ2~4日の潜伏期間を経て発症します。
また、患者は症状が回復してからも2週間~1ヶ月程度はウイルスを排出することになりますので、二次感染を防ぐためにも周囲の人は手洗いうがいを徹底して感染予防に努めましょう。
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ヘルパンギーナと手足口病の違い
手足口病とよく混同されがちな理由としては、原因となるウイルス群が同じであること、感染経路や患者の年齢、流行の時期、発熱や水疱ができるなどの症状が似たところがあるためですが、目安となる症状の違いが以下の部分です。
ヘルパンギーナ | 手足口病 | |
---|---|---|
原因ウイルス | エンテロウイルス・コクサッキーウイルスA群など | 同様 |
感染経路 | 飛沫感染・接触感染・糞口感染 | 同様 |
患者の多い年齢 | 6ヶ月~4歳 | 6ヶ月~5歳 |
潜伏期間 | 約2~4日 | 約3~5日 |
発熱 | 38℃~40℃の高熱 | ない、または微熱 |
水疱性発疹箇所 | 口内 | 口内・手足・その他全身 |
大きな違いは高熱の有無と、ヘルパンギーナは水疱性発疹ができる箇所がほぼ口内だけなのに対し、手足口病は手足の表裏、口内、お尻など全身に及ぶことです。
一見すると手足口病の方が症状が目立ちますが、やはり乳幼児にとってヘルパンギーナの高熱やのどの痛みは非常につらいものがありますので、違いを知って経過をよく見守ってあげることが大切です。
登園・登校の判断は?
これも手足口病と同様に明確に『出席停止』については定められていません。
しかし高熱が続く間や、食事が取れないほどののどの痛みがある、衰弱しているなど、症状が大きく出ているときには当然自宅で安静にすることが大事です。
経過を見守り、登園、登校の判断は医師や保育園、学校と相談して決めるのが良いでしょう。
おわりに
今回はヘルパンギーナと手足口病の違いについて書いてきましたが、どちらも時期が来るとよく流行るものです。
感染してしまっても、特に乳幼児は自分の体調不良を上手く説明することができません。そのため、ぐずついたり、泣いたり、食事を嫌がるなどの傾向が見られると思います。
そういった子供の必死の訴えにしっかり気付いてあげて、早期に適切な治療を受けさせてあげたいものです。
保育園や幼稚園に通うお子さんをお持ちの方は、今の時期どの病気が流行っているか、どんな初期症状が出るかなどあらかじめ知っておき、落ち着いて対処できるようにしておくと良いですね!
ヘルパンギーナのほかに3大夏風邪と呼ばれる、手足口病、プール熱についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。
手足口病は大人もなる!?症状は軽い?重い?一度なっている場合は?
それでは今回はこの辺りで。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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