「このスタッドレスタイヤまだ使えるのかなぁ・・・。それとももう寿命?」
とお悩みのあなた!
ぼくがスタッドレスタイヤの寿命の見極め方を詳しく解説します!!
スタッドレスタイヤは、なんだかギザギザしてて溝も深いので、まだ使えそう・・・なんて考えがちなんですよね。
もちろん使えるものは使いたい!それはぼくも同じです!
ただ、やっぱりいざ雪道を走行したときに、スリップしてしまうようではせっかく履き替えた意味が無いですし、事故を起こしてしまっては元も子もありません。
そしてスタッドレスタイヤには、何万km走行で交換、購入から何年で交換など、明確な交換時期(寿命)というのは決められていません。
それではスタッドレスタイヤの寿命ってどのように判断すれば良いのでしょうか。ある程度の走行距離?それとも購入してからの年数?と気になるところですが、ある程度の判断基準というものがあります。
今回は、過去にタイヤ販売及びタイヤ整備士として働いたことがあり、スタッドレスタイヤの交換を2000台以上はしたことがあるぼくの経験をもとに、「プロが判断するスタッドレスタイヤの寿命の見極めポイント」をお伝えします!
それでは行ってみましょう!
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寿命の見極めポイントは?
☆ポイントは走行距離、使用年数、タイヤの状態、使用目的からの総合判断となります。
これから順番に説明していきます。
今回は、あなたが乗用車のオーナーで、前シーズンまで使用していたスタッドレスタイヤを所持しているということで話を進めて行きますね。
それでは、そのスタッドレスタイヤと夏タイヤを交換するために、タイヤ販売店やガソリンスタンド、あるいは車を購入した自動車販売店などに向かうわけですが、そこにいるプロの整備士さん達は、次のようなポイントを確認します。
・使用年数とゴムの硬化具合をチェック
・タイヤの状態及び劣化具合をチェック
・使用目的及び使用状況をチェック
一つずつ見ていきましょう。
走行による磨耗と残り溝をチェック
まずは、車の走行で磨り減ったタイヤの磨耗状態と残り溝の確認ですね。
乗用車のスタッドレスタイヤの場合、サイズにもよりますが、新品時の溝の深さはおよそ10mm程度です。これが約半分の5mmくらいまで磨り減ると、プラットホームと言われるスタッドレスタイヤとしての性能を維持できる限界点を表す目印が露出します。
↑この画像のスタッドレスタイヤは怪しいですね・・・。
少し角度を変えて見てみましょう。
残念ながらアウトですね。残0mmです。
つまりこれが出るほど溝がなくなっていれば、それはもうそのスタッドレスタイヤは冬タイヤとしての役目を成さないということです。つまりこれは明確に冬タイヤとしての寿命と言えます。
あえて参考の走行距離数を言うならば、およそ12000km~15000kmほど走行していれば、だんだんプラットホームが気になるほどになってきます。(走行状況によっては10000km以下でダメになる、15000km以上でも大丈夫など十分にありえますのであくまで参考数値です。)
お住まいの地域によっては、冬の間毎日雪の道を走ることもあれば、万が一の雪や凍結に備えて一応スタッドレスタイヤには交換するが、通常はほとんどが乾いた道を走っているなど、その人によってスタッドレスタイヤの使用条件は様々なため、何kmで寿命というのはあまり具体的ではないということですね。
あとは偏磨耗(へんまもう・きれいに表面が磨り減っていない)や片減り(タイヤの片側だけが異常に減る)などが無いかチェックします。
部分的には溝が深くても、片側が異常に減ってしまっていて、プラットホームが露出している場合も危険です。これを防ぐにはシーズンごとにローテーション(タイヤの付け替えや方向の入れ替え)をすることが望ましいです。
↑ちなみにプラットホームは、スリップサインとは違いますので気をつけてください。
スリップサインとは夏タイヤ、スタッドレスタイヤを問わず付いている目印です。
タイヤの肩に矢印があり、その延長線上の溝の中に少し膨らみがあります。これは溝の残りが1.6mmになると露出するようになっていて、これが露出していると整備不良となり、交通法規上の違反となります。当然車検も通りません。そればかりか、タイヤの性能が著しく落ちますので、走行すること自体が危険になります。
この画像のように、「プラットホームが露出してスタッドレスタイヤとしての寿命は尽きているが、スリップサインはまだ出ていない」という状況はよくありますが、これはあくまでスタッドレスタイヤの寿命は尽きているということになります。
また、そのまま夏タイヤとしてスリップサインが出るまで使うことはできなくはないですが、通常の夏タイヤに比べてはるかに性能が劣りますのでおすすめはできません。
やはりスタッドレスタイヤのシーズン後は、きちんと夏タイヤに履き替えた方が良いでしょう。
使用年数とゴムの硬化具合をチェック
プラットホームまで十分に溝があったとしても、タイヤの性質上、経年劣化は避けられません。
多くのメーカーでは購入後およそ3年(3シーズン)で交換を推奨しています。
これもあくまで、毎年冬の時期のみスタッドレスタイヤに交換し、シーズン以外の時期はきちんと保管して使用していた場合です。保管状態が悪い、シーズンを過ぎても履き続けるという状況があればやはり寿命は短くなってしまうでしょう。
また、2年(2シーズン)使用して、次の2年は使用せず、その次の1年を使用するというのは、5年目としてカウントしてくださいね。
ぼくの経験上、使い方や保管状態によっては、4年、5年と使えないことも無いですが、この場合のほとんどが、溝は残っていてもタイヤのゴムが硬化してきます。新品時はゴムが柔らかく、地面によくグリップするようになっていますが、これが年を経るごとにかなり硬くなるのです。
新品のスタッドレスタイヤと触って比べれば、その違いは一目瞭然です。
この場合も、溝の有無に関わらず買い替えをおすすめします。つまり経年劣化による寿命となります。
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タイヤの状態及び劣化具合をチェック
先ほどの使用年数とも関係がありますが、他にも特にチェックするのがタイヤの状態と劣化具合です。
劣化具合はやはり4年目、5年目となるにつれてゴムが硬化してひび割れてきます。これも非常に危険な状態ですので、溝が残っていても買い替えの必要性があります。
↑タイヤの側面部分です。
そしてタイヤの状態というのは、パンク歴やその他の傷み具合、特にありがちなのがタイヤの切り傷や打ち身です。
人間でいう怪我みたいですが、まさにその通りで、深い切り傷や突起物に打ち付けられた痕跡、タイヤの変形は見逃してはいけません。これが原因で、溝があり年数もそれほど経っていないのに高速走行時にバースト(タイヤの破裂)するということが少なくありません。
バーストなどすれば思いもよらぬ大きな事故に繋がる危険性があるため、この場合は即交換を促すことになります。一番もったいないパターンですが、安全には変えられませんからね。普段の走行時にもきちんと気を配る必要があるということです。
ちなみに車のタイヤというのは、ごく小さなパンク以外は修理が不可能な部品です。とくにタイヤの側面はゴムの厚みが薄く、一番弱い部分です。縁石などに乗り上げて側面を傷つけてしまうと、即交換が必要になります。
よく「修理できないの?」と聞かれることもありましたが、これは本当にできません。したところで1.5tほどの重量があり、高速走行する自動車の力に耐えることはできません。バーストする可能性が非常に高いです。
とても痛いですがこの場合は安全を優先して買い替えておいてください。1本単位でも購入できますので。
使用目的及び使用状況をチェック
最後に、上記のチェックをした上で、あらためてお客さんにヒアリングを行います。
目的としては、主に通勤などで毎日車を使用するのか、お住まいの地域の降雪の頻度や降雪量など、使用状況や目的などをヒアリングしながら、「もう少し乗れますよ」とか、「早めに買い替えた方が良いですね」などのアドバイスをさせてもらっていました。
確かに、毎日雪道を走る予定の人と、1回だけ雪山のレジャーに使いたいだけという人では、目的や使用状況に大きな違いがありますからね。
店員さんに、自分の今シーズンでの使用予定などを詳しく相談すれば、きちんと参考になるような話をしてくれますよ!
おわりに
いろいろと書いてきましたが、ある程度確認するポイントが分かっていれば、あなた自身でスタッドレスタイヤの診断をすることは十分可能です。
あらためてざっくりと、スタッドレスタイヤの寿命の判断基準をまとめておくと、「プラットホームまで溝が減る、または3シーズンをめどに買い替えを検討する」と覚えておくと良いですね!あとは状況に応じて判断するということで良いでしょう。
信頼できるお店であれば、無理に買い替えを進めてくることもなく、あなたの参考となる適切な情報をくれるはずです。ただ、ベテランの店員さんなどは、買い替えを渋ってしまったために事故を起こしてしまった人の話など、(いやでも)耳にしていることはよくあります。
それも含めて老婆心から早めの買い替えなどを進められることもあるとは思いますが、最終的にスタッドレスタイヤの寿命(買い替え)を判断するのはあなた自身です。
不安があれば、今回の記事を参考に、手持ちのスタッドレスタイヤのどの部分に買い替えの余地があるかなどを詳しく店員さんに聞いてみても良いと思いますよ!
真冬の降雪シーズン、お互い無事故で乗り切りましょう!^^
他にも車のタイヤのお悩みはこちらの記事も参考にしてください。
車のタイヤの交換時期!ひび割れも注意?元販売員が見極め方を伝授!!
スタッドレスタイヤは中古でも大丈夫?元販売員が解説します!!
それでは今回はこの辺りで。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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コメント
大変勉強になりました
有り難う☺ございました
有井重幸さん
コメントありがとうございます。
お役に立てたようで嬉しいです。^^
冬の運転には特に注意したいですね。どうぞご安全に!
ありがとうございました。これを交換の判断基準としてチェックしていきます。
古畑昌弘さん
コメントありがとうございます。
こちらのシステムに不具合があり、返信が遅れており申し訳ございません。
こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます。
参考にしていただければ幸いです。^^