「ガソリンスタンドで、そろそろタイヤの交換をしたほうが良いって言われたけど、すぐに換えないとダメ・・・?」
とお悩みのあなた!
車のタイヤの交換時期は、確認するポイントを知っていれば自分で判断ができますよ!今回はその見極め方をお教えします!
車のタイヤのチェックって結構お店まかせにしていて、「これもう危険ですよ!」なんて急に言われてびっくりすることってあるんですよね。^^;
でも自分で交換の時期を見極めることができれば、必要以上に心配をすることは無くなります。経済的にもうちょっと後日にしたい・・・なんて時も実際ありますからね。(とはいえ、本当に危険な場合はすぐ交換してくださいね!安全が最優先ですよ!)
ということで今回は、元タイヤ販売員として10万本以上のタイヤの診断をした経験のあるぼくが、車のタイヤの交換時期の見極め方について詳しく説明します。ぜひあなたの毎日の安心カーライフの参考にしてくださいね!
それでは行ってみましょう!
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タイヤのどこをチェックするの?
プロの店員さんや整備士さん達は、タイヤ診断をするときに、以下のようなポイントを確認しています。
※今回は全て一般乗用車の場合についてお話させていただきます。
・ひび割れ
・使用年数
・キズや変形
・タイヤバルブ
このように書くと項目が多いように思いますが、実際にチェックする部分はそれほど多くありません。この記事を参考にチェックしてもらえれば漏れなく確認できますよ!
それでは順番に細かく見ていきましょう。
タイヤの磨耗具合
まず最初にチェックするポイントはタイヤの磨耗(減り)具合ですね。
タイヤの減り方や交換時期は人それぞれです。ぼくのようにほとんど毎日車を運転する人もいれば、週に1回の買い物だけ、あるいは家族でどこかへ遊びに行くときだけ車を使うという人もいますので、一概にタイヤの寿命は何年です、何万kmですということは言えません。
一つ参考になる数値としては、『タイヤはおよそ5000km走行で約1mm磨耗する』ということです。新品時の夏タイヤは溝が約8mmほどありますので、スリップサインの出る1.6mmまでですと、6.4mm×5000kmでおよそ32000kmとなりますね。
年間2万km走る車なら約1年半、年間1万kmですと約3年というようにある程度計算はできますが、走り方や使用状況によってがらりと変わるのが車のタイヤの特徴でもあります。ということであくまでも参考程度に留めておいてください。
ということで、しっかり現物で確認しましょう。
ここでのポイントは、タイヤの残り溝は十分にあるか、偏磨耗(全体がきれいに磨り減っていない状態)は無いかをチェックします。
タイヤの地面と接触する面の溝の深さを確認します。
前述したように、新品時の溝の深さは約8mmほどありますが、使用しているうちに磨り減ってきます。そして法規上の使用限界値である溝の深さ1.6mmを示すスリップサインまで磨耗すると車検にも通りませんので、早急に交換が必要です。
※スリップサインとは、タイヤの肩部にある三角印の延長線上にある、溝の中の少し盛り上がった部分のことです。これがタイヤの表面と同一の位置になるまで磨耗すると、『交換が必要』というサインです。
ただし、スリップサインが露出する1.6mm近くの残溝では、タイヤの性能はほとんど失われており、コーナーでのグリップ性や雨の日の走行時などではかなり不安があります。そのためおよそ残り2mm~3mmをめどに交換するのが無難です。
上の画像でちょうど残り2mmほどです。この状態ならもう十分交換時期と言えるでしょう。
ちなみに偏磨耗(片減り)といって、タイヤの片側だけが酷く磨耗してスリップサインが出てしまった場合も交換の必要があります。
↑こちらのタイヤは残り3.2mmほどです。
このくらいで買い替える人もいれば、「まだ乗れますか?」と聞かれる人もいます。この場合でしたらぼくは、「まだ乗ることはできますが、近々買い替えを検討しておいてくださいね。」と答えますね。ただ、減り方は人それぞれなので、「今の状態を覚えておいて、こまめにチェックした方が良いですよ。」と声をかけさせてもらいます。
全くタイヤの状態を見ないでいると、いつの間にかびっくりするほど減っているときがありますからね。ある程度ぎりぎりまで使用するつもりであれば日々のチェックは欠かせません。
ひび割れ
タイヤは過酷な使用条件のうえ、太陽光や風雨にさらされます。そのため購入からある程度年数が経過すると、タイヤの溝は十分に残っていたとしても、タイヤに経年劣化によるひび割れが出てきます。
ひび割れは特にタイヤの側面、あるいは、タイヤの溝に沿って現れます。
タイヤの側面は特にゴムが薄い部分ですので、ひび割れが大きく深くなってしまう前に交換する必要があります。
車の保管場所や使用状況にもよりますが、前回の交換からおよそ4~5年以上経過しているようであれば、ひび割れが出てきている可能性があります。タイヤの磨耗具合とあわせて必ずチェックしてください。
ひび割れが酷い場合はバースト(破裂)の危険性があるため、溝の残り具合を問わず交換時期となります。
つまり車のタイヤは主に、しっかり走行して磨耗したことで交換となるか、または、走行距離が短く溝は残っているが、経年劣化により交換となるケースが多いというわけです。
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使用年数
タイヤのおよその使用年数は、タイヤに刻印された製造年月で確認できます。
「このタイヤいつ購入したっけ?」というときでも大体の参考になりますので、覚えておいて損は無いですよ。
タイヤのオモテ面にこのような刻印がされています。
このタイヤは下4桁が1007ですが、この場合は【2007年の第10週に製造】と読みます。
赤○の07は2007年、青○の10はその年の第10週に製造されたという意味になります。2007年の第10週ですので、3月の始め頃ですね。
あくまでそのタイヤの製造年月ですので、実際に店頭で購入した日時とは異なりますが、おおよその経過年数の目安になります。
ちなみに製造されたタイヤはメーカーで適切に保管されているため、新しいタイヤに交換する際にこの数字をもとにして、とにかく新しいものを!と、それほど神経質になる必要はありません。(多くのメーカーは保管3年以内は問題ないとしています。)
使用年数によるタイヤのゴムの劣化を考えると、よく使う車で購入から3~4年程度、あまり使わずにきちんと管理していたとしてもおよそ5年程度を目安に交換を考えたほうが良いでしょう。
キズや変形
タイヤの溝が十分に残っていて、購入からそれほど年数も経っていない、にもかかわらず交換が必要となってしまう事例として、タイヤのキズや変形が発見された場合です。
走行中に、縁石や地面の突起物と接触したりして、タイヤに深いキズがついてしまったり、外見上はキズが無くても、タイヤの内部のワイヤーコードが切れていて、その部分が変形(ミミズ腫れのように膨らむ)することがあります。
また、パンクしている場合も含め、空気圧が不十分なまま走行すると、タイヤを揉んでしまう(タイヤを潰しながら回転させてしまう状況)ことがあります。この場合はタイヤの側面に黒いスジ状の跡が見られることがありますが、これも相当危険な損傷状態ですので交換が必要になります。
タイヤの強度はゴム自体ではなく、ゴムの内側にある繊維のように組まれた極細いワイヤーコードで保っています。このワイヤーコードが外部からの衝撃などで切れてしまうことで、その部分が空気圧に耐えられず膨らみ、最悪はバーストすることに繋がります。
ぼくの経験上も、こういった事例は少なからずあります。ワイヤーコードの破損は修復ができないので、タイヤがたとえ新品だったとしてもこれらは交換しておかないと非常に危険です。(非常にもったいないですが、安全には代えられません。交換は1本単位でできます。)
ほとんど新品状態のタイヤのお客さんで、空気圧のチェックだけをするつもりが、タイヤの裏側にコブシぐらいの大きさの膨らみを発見して即交換ということもありました(縁石に乗り上げていたようです)。
発見できればまだ幸いですが、そのまま知らずに走っていたら間違いなくバーストしていたことでしょう。タイヤの裏側も要チェックです。
他にも、釘などの異物が刺さっていないかを確認しておきましょう。
タイヤバルブ
タイヤバルブとはタイヤに空気を入れる口の部分です。
現在の乗用車のタイヤはほとんどがチューブレスタイヤ(自転車のようなチューブが入っていない)なので、バルブとタイヤはそれぞれ別の部品となりますが、バルブのゴムが劣化したことでタイヤの空気が抜けてしまうということも多いです。
タイヤ交換の際には同時に交換しておくことをおすすめします。(およそ1本300円前後です。)
おわりに
最後にもう一度タイヤの交換時期のポイントをまとめておきます。
・ひび割れが見られる場合
・使用年数(長くとも4~5年を目安に)
・キズや変形がある場合
・バルブもあわせて確認
以上の項目を順番にしっかり確認していけば、正しい交換時期の判断ができます。
あなたの年間のおよその走行距離や、それによるタイヤの減り具合もある程度把握しておくのも交換時期の目安になります。また、普段から自主点検を行うことで、思わぬ事故や故障を防ぐことにもなりますので、タイヤの空気圧も含めて、しっかりとタイヤのチェックをしておくことが大事です。
タイヤ交換すべきかどうかの判断に迷っている、あるいはどこをどのように確認したらいいか分からないという際には、ぜひ今回の記事を参考にしてくださいね!
それではご安全に!^^
スタッドレスタイヤや、タイヤの空気圧のことに関してはこちらの記事で詳しく説明していますので参考にしてください。
スタッドレスタイヤの寿命判断は走行距離?年数?元販売員が解説!!
それでは今回はこの辺りで。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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