「宅急便と宅配便の違いってなに?」
と、気になっていませんか?
ぼくは過去に、宅配関係の運送業界で働いていた経験があるんですが、その間に結構こんな質問をされたことがあります。
もっと細かく言えば、『宅急便で送る』、『宅配便で送る』、『郵送する』、この辺の違いなどもなかなか区別がしにくいところだと思います。
宅配便はもはやインフラ(産業や生活の基盤事業)の一つと言われるほど、身近で便利なサービスとして生活やビジネスの中で広く利用されていますが、「このあたりの名称や使い分けがいまいち分からん!」という方も実際には多いようです。
ということで今回は、宅急便と宅配便の違いについてや、他にも関連する運送業界の業界用語について書いていますので、一緒に見て行きましょう!
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宅急便と宅配便の違いは?
宅急便も宅配便も事業内容としては同じく、個人や会社から輸送する荷物を引き受け、依頼主が伝票に記載した住所(あて先)へ、有料で荷物を送り届けるというサービス(事業)です。
宅配サービスを営む企業として有名なところでは、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、西濃運輸などが挙げられます。
これらの企業は、宅配事業以外にも、引越し事業やチャーター便事業(トラック1台を貸し切り、現地から現地へと直接輸送する事業)、包装資材の開発販売や、その他食品や日常品などの物品販売、他にも金融商品などを取り扱う事業など、様々な事業展開を行っています。
その中で、先に挙げた『個人や会社から輸送する荷物を引き受け、依頼主が伝票に記載した住所(あて先)へ、有料で荷物を送り届けるサービス(事業)』のことを『宅配便』と言います。(宅配便事業・宅配サービスとも言います。)
そしてその宅配便という事業(商品・サービス)に、『宅急便』という商品名をつけて販売したのが、この宅配便事業のパイオニア(開拓者・先駆者)的存在であるヤマト運輸です。
クロネコヤマトのたっきゅうびん♪でおなじみですよね。
つまり宅急便とは、ヤマト運輸の提供する宅配便サービスの登録商標(個人や企業などが特許庁に登録することで、その個人や企業以外は使用することができない名称やデザインなどのこと)であると言うことです。
もっと分かりやすく例えると、宅配便サービスという商品を、自動車という商品に置き換えてみましょう。
自動車という商品はトヨタ、日産、ホンダ、マツダなど各社が販売していますが、クラウンやフーガ、フィット、デミオというように独自の名前を付けて販売していますよね。
どれも同じ自動車という商品なわけですが、各社でそれぞれ商標登録がされます。日産が新発売する自動車に、クラウンやカローラという名前を付けて販売することはできないということですね。
他にもテレビなども、同じくテレビという商品ですが、REGZA(東芝)やVIERA(パナソニック)などという商品名で各社から販売されます。
というわけで、『宅急便』は、ヤマト運輸の販売する『宅配便サービスの商標』ということだったんですね。
ちなみに佐川急便は『飛脚宅配便』、日本郵便は『ゆうパック』、西濃運輸は『カンガルー便』として販売していますよ。
そしてこれらは全て『宅配便サービス』という商品であるわけです。
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なぜ混同されるの?
これはヤマト運輸が宅配便のパイオニア的存在であると共に、その商標を早くから、『宅急便』としていたことから、世間では宅急便=宅配便というイメージになっているのだと思われます。
でもこれは場合によっては自動車全てをベンツと言っているようなものに、・・・は、ならないですか・・・。そうですか・・・。
でも、ビジネスの上で取引先とやり取りする際なんかにはきちんと、「ヤマト運輸の宅急便で送ります」、「日本郵便のゆうパックで送ります」など、きちんと使い分けができると良いですね!
ちなみに『郵便で送る』を略して『郵送する』だそうで、これは郵便を扱う郵便局を利用する場合に使うことになりますね。
ほかに、荷物を送ることは業界用語で、『発送・はっそう』、荷物を受ける(預かる)ことは『荷受・にうけ』、荷物を預かりに行くことを『集荷・しゅうか』、お客さんが荷物を受け取りにくることを『引き取り・ひきとり』、そして荷物をお届けすることを『配達・はいたつ』などと言います。
ぼくは今でも通販や仕事で宅配便を利用するケースが多いのですが、商品の発送元からよく『商品を発送しました』というようなメールをもらいます。
このときに、「お買い上げの商品をヤマト運輸の宅急便にて発送させていただきました。」などと丁寧に案内してくれますが、これが「お買い上げの商品を佐川急便の宅急便にて郵送させていただきました!キャピ♪」なんてなっていたらおかしいですよね・・・。
お仕事で宅配便を利用したり、メールなどでお客さんや取引先とやり取りをすることがあるという場合は、細かいところですがぜひ気をつけてくださいね!
そういえば魔女の宅急便はいいの?
スタジオジブリのアニメに『魔女の宅急便』というのがありますが、これは当時、まさしくヤマト運輸の商標権の侵害に当たり、危うく放映すらもできないというところだったといいます。
しかしスタジオジブリがヤマト運輸に交渉し、ヤマト運輸が筆頭スポンサーとなることで合意、宅急便の使用を公認したという逸話が残っています。
それでこんなCMがあったんですね!(再生時間0分31秒)
これはお互いにかなりメリットがあったのではないでしょうか。
おわりに
今回は宅急便と宅配便の違いということで見てきましたが、宅配サービスは普段よく使っていても、各社の商品名の違いまで深く考えることは少ないですよね。
一般的には確かに細かい部分ではありますが、仕事で利用されている場合など、このあたりの使い分けがしっかりできていれば、ビジネスの上でも変に信頼感を無くすような文書を書いてしまうことも無いですし、ひとつの知識として持っておいても損はないと思いますよ!
宅配便を年末年始にも利用したいというときは、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
それでは今回はこの辺りで。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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コメント
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